多様性を尊重し、対立や葛藤をもむしろ生かし、新たな知恵や解決策を共創できる対話を活用した授業のために

所長挨拶

所長挨拶(研究所設立の趣旨)

 2016.7.1 「共創型対話学習研究所設立の趣旨」

 教育の真実は、「事実として学習者を成長させることにある」、このことは本研究所の基本理念である。
 研究所設立の基本目的は教師達の自信と誇りの復権にある。学校教育現場においては、次々と打ち出される教育行政施策への対応、教育現場への正当な認識を欠く報道、常識の欠如した理不尽な要求を繰り返す保護者の存在等により、教師たちは、疲れ,自信を喪失している。本来、教師たちに自信と誇りを回帰させるべき、各種の現職研修の機会が、むしろ教師たちに精神的規制を加え、創造性を奪う傾向さえもある。
 こうした、現状を打破し、教師達に自信と誇りを回帰させる、その活路は希望ある未来社会の担い手を育成するための教育実践力を高めることにあると考える。
 
 本研究所が志向する具体的な研究・実践課題は以下の3点に集約できる。

 (【▼】をクリックすると具体的な内容が表示されます。)

 

 

 本研究所は、前身である学習スキル研究会に参集した小・中・高校・大学の教師たちを中核として設立された。1998年に設立した学習スキル研究会は、「離脱の容認」を基本に置く、まさに自由参加の手弁当の研究会であった。グローバル時代の人間形成の重要性を認識し、学習方法の改革に情熱をもつ教師たちが、私費により、広島・新潟・栃木・島根などから参集し、会員の勤務先の学校を会場に、新たな時代に対応した教育実践の基本スキルとしての学習スキル、教師スキルについての協議を継続してきた。
 いま、研究所としての新たなスタートにあたり、設立の趣旨・目的を前述のように提唱する。志ある人々、実践推進に悩む人々、21世紀の教育の方向に関心を持つ人々が参集し、真摯に21世紀の教育実践の方向を探究し、その具体的手立てを提示していく研究を進めていきたい。
 
 さまざまな人々による多様な対話が高次な教育実践を共創させます。多数のみなさんの研究所の活動への参加を期待しています。



所長経歴

多田所長 ●所長 多田 孝志

 1945年 生まれ。
 博士(学校教育学)
 目白大学名誉教授・金沢学院大学教授
 専門は、国際理解教育学、対話論、学習方法論。

 東京都小学校教員、在外教育施設派遣教員、目白学園中学校・高等学校教諭、カナダ・バンクーバー西高校教諭等を経て、1998年より大学で教鞭を執る。2009年目白大学児童教育学科長、2011年目白大学人間学部長等を歴任、また、青山学院短期大学、立教大学大学院、東京大学教育学部、学習院大学文学部でも講師を務める。大学で教鞭を執る一方、各地で講演や執筆活動を行う。
 学会活動においては、日本国際理解教育学会会長、日本学校教育学会会長、日本グローバル教育学会常任理事、日本異文化間教育学会理事等を歴任。著書・論文も多数。

 (主な著書等)
 ・『学校における国際理解教育』(1997年,東洋館出版)
 ・『地球時代の教育とは』(2000年,岩波書店)
 ・『飛び込んでみようJETプログラム』(監訳)(2002年,東洋館出版)
 ・『地球時代の言語表現』(2003年,東洋館出版)
 ・『対話力を高める』(2006年,教育出版)
 ・『共に創る対話力』(2009年,教育出版)
 ・『授業で育てる対話力』(2011年,教育出版)
 ・『持続可能な社会のための教育』(佐藤学・諏訪哲郎・木曽功・多田孝志編著)(2015年,教育出版)
 ・『未来を拓く児童教育学―感性・現場性・共生を基調にして―』
   (目白大学児童教育学科編)(2015年,三恵社)
 ・『教育のいまとこれからを読み解く57の視点』(多田孝志他編著)(2016年,教育出版)

 ・中学3年生 平成26年度検定国語科教科書(教育出版)に評論「対話論」を掲載

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